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抗加齢内分泌研究会レポート その4

抗加齢内分泌研究会レポートを書いています。

臓器は若返るーホルモンの威力

〇現在、高血圧症4000万人、糖尿病 820万人、耐糖能障害 1050万人、脂質異常症2200万人。
〇糖尿病は心血管イベント発症率を見ると人生を15年早くすすめている。
〇P16geen(細胞周期進行抑制遺伝子)これは老化シグナルである。この発現を使ってどこが最も老化するか知る。腎臓と腸であった。
〇どこが最も多く血液を使うか?腸、腎である。――人は血管から老いる。と言える。
つまり腎臓は老化を刻む臓器ともいえる。
〇腎臓と腸はミトコンドリアが多い臓器。カロリー制限と運動でミトコンドリアを鍛えるのだ。
〇ナトリウム利尿ペプチド(ANP、BNP)、血管拡張、cGMPの話
〇ナトリウム利尿ペプチド活性化マウス:BNP-Tgマウス cGK-Tgマウスは太りにくい。骨格筋ミトコンドリアの数が多い。
〇ANPは血管広げる。cGMP上昇させる。体重減少によりANPが効きやすくなる。
〇腎臓が悪くなると筋も悪くなる。CKDモデルマウスは腎臓を5/6摘出したマウスであるが、運動能力は低下する。ミトコンドリア機能(量、ATP産生、活性、活性酸素量)も下がる。
〇ADMAasymmetric dimethyl arginine内因性一酸化窒素阻害物質の話
〇腎臓が悪くなるとADMAが貯まる。心血管疾患発症にADMAが関与しているのである。①慢性腎不全ではADMAが増加する。②末期慢性腎不全においてADMAと死亡率が関連している。③CKDにおいてADMAは心血管病および死亡率と関連している。
〇レニン・アンギオテンシン系抑制で新規糖尿病発症が抑制:アンギオテンシンⅡは培養筋細胞においてミトコンドリアの数を減らし、活性酸素を増やす。
〇グレリンの話:空腹時、胃から分泌されるペプチドホルモン。作用は①食欲を上げる②成長ホルモン分泌亢進させる。③エネルギー同化④抗炎症⑤心血管保護
〇培養骨格筋細胞の実験で、グレリン投与で骨格筋ミトコンドリアの量が増えATP量が上昇した。
〇培養近位尿細管細胞ミトコンドリアに対するグレリンの効果は量依存性に増える。
〇グレリンはUCP2を増加させ腎細胞のミトコンドリア膜電位を低下させる。それによって酸化物質の侵入を防ぎミトコンドリアの障害を減らす。またPGC1αを増加させミトコンドリアの数を増加させる。これにより腎尿細管障害抑制され腎繊維化抑制効果あり、CKD進行阻止できる可能性ある。
☆UCP2:uncoupling proteinミトコンドリア脱共益タンパク質・エネルギーを熱として散逸する機能あり
☆PGC1αミトコンドリアの合成を促進する。遺伝子の転写制御因子
〇肥満の話:食事→消化管により脳に対しては満腹感。膵臓に対してはインスリン、グルカゴンを通して血糖コントロール。胃には蠕動運動を起こす。
〇インクレチンの話:膵β細胞運動から分泌される。GLP-1とGIPが代表的。運動に伴うIL6の上昇は腸のGLP-1分泌を促進する。
〇胃十二指腸を手術するダイエット手術は減量より前に耐糖能がよくなることが知られている。術後GLP-1分泌がよくなるのだ。実は糖尿病も手術で治ることも知られている。
こういう症例はもともと腸がわるかったのではないか?
〇腸の時代がやってきた?!


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抗加齢内分泌研究会レポート その3 

先日行われました、抗加齢内分泌研究会のレポートを書いています。

インクレチンとストレス

〇インクレチン(GIP、GLP-1)腸管から分泌され、膵からインスリン分泌を刺激する因子
〇インクレチンの分子基盤:グルカゴン遺伝子⇒グルカゴン前駆タンパク⇒GLP-1。
 GIP遺伝子⇒GIP前駆タンパク⇒GIP
〇インクレチンはインスリン分泌を促進するが、食事量に応じたインスリン追加分泌をおこす。
〇多彩な作用がある。GIPは脂肪組織、骨芽細胞に作用。GLP-1は中枢神経、胃、腎臓、心臓に作用。
〇インクレチン関連ではDPP-4阻害剤とGLP-1受容体作動薬が開発された。
 DPP-4阻害剤はGIPとGLP-1の酵素DPP-4を阻害する薬剤。GLP-1受容体作動薬はGLP-1受容体を刺激する薬剤である。
〇糖尿病性腎症の発症・進展におけるGLP-1シグナルの意義:糖尿病マウスによる実験では、GLP-1シグナルを遮断すると腎症がおこり進行するが、GLP-1シグナルを遮断せず、GLP-1受容体作動薬を投与すると腎症は改善した。
〇糖毒性と糖尿病性腎症:高血糖は細胞内NADPHoxidaseを上昇させ、superoxideを増やす。その結果TGF-β1(→メサンギウム増加させる)、PGE2(糸球体高血圧おこす)を増加させNOを減少(糸球体内皮障害)させる。
〇それに対してGLP-1受容体シグナル刺激によって細胞内cAMPが上昇しNADPHoxidaseに抑制的に働きsuperoxideの発生を抑える。
〇GIPについて:GIPは直接、脂肪細胞へ作用する。グルコース取り込みやリポ蛋白リパーゼ活性を上昇させ、脂肪蓄積方向へ働く
〇加齢モデルではGIPシグナル遮断により肥満抑制となる。
〇GIP受容体欠損マウスはカロリー制限をしたげっ歯類、霊長類、ヒトと似ており、脂肪量低下、内臓脂肪量低下、インスリン感受性増加、交感神経系の活性低下、運動量増加するのである。
〇GIPを出さず、GIP-1を増やしたい薬剤がαGI(グルコシダーゼ阻害剤)なのである。

抗加齢内分泌研究会レポート その2 

メラトニンと糖質・脂質代謝への影響
〇メラトニンは睡眠、生殖に関与するホルモンで脳松果腺より主に分泌
〇メラトニンの生合成経路:トリプトファン⇒5HTP⇒セロトニン⇒メラトニン
〇メラトニンの整理作用①催眠、深部体温低下作用②強力な抗酸化作用③糖代謝脂質代謝への影響④免疫系への作用⑤発がん抑制作用
〇①催眠、深部体温低下作用:血中濃度は昼低く、夜高い。産生は網膜への光入射で抑制される。加齢とともに血中濃度低下する。ピークは前にずれる。加齢とともに、早く眠くなり、朝早起きになる。不眠治療や時差ボケ治療にも使われる。
〇②強力な抗酸化作用:アンチオキシダントである。いったん酸化されると再還元されない。核DNA、ミトコンドリアDNAを保護する。BBBを通過する。
〇③糖代謝脂質代謝への影響:メラトニンは単離β細胞でのインスリン分泌を抑制する。矛盾するような作用であるが、長期でみるとメラトニンは膵島の分化増殖を促す。ROSへはスカベンジャー作用あり。血漿中の脂質を低下させる。
〇ラットの実験系で糖尿病ラット、糖尿病+メラトニンラットで比較。インスリン、レプチンは後者で低い。しかしインスリン感受性は上がった。またTNF-αは下がった。
〇まとめるとメラトニンはインスリン抵抗性を下げ、感受性をあげるのである。脳松果体を破壊するとこれらの作用はなくなってしまう。
〇さて臨床応用であるが、今の所決まった治療法はない。

抗加齢内分泌研究会 レポート その1

先日行われました、抗加齢内分泌研究会のレポートを書いています。

ホルモンと骨代謝
〇年齢と共に男性女性に限らず、性腺機能が低下。これに伴い骨吸収が増す。(骨形成よりも)
〇骨形成にはさまざまなホルモンが関与している。
骨形成:レプチン、甲状腺ホルモン、交感神経刺激、糖質ホルモンの減少、
骨吸収:副甲状腺ホルモン、エストロゲン減少
〇内分泌疾患と骨代謝は関係がある。クッシンング症候群、甲状腺機能亢進症、下垂体ホルモン分泌異常症、褐色細胞腫、原発性副甲状腺機能亢進症、ビタミンD不足症
〇糖質コルチコイドと骨訴訟症:以前は腎Ca再吸収低下、腸管Ca吸収低下、性ホルモン低下、破骨細胞機能亢進などのため骨粗鬆症になるといわれていた。確かにそうだが、
今は糖質コルチコイドの酸化ストレスにより骨芽細胞の減少、骨細胞のアポトーシスがおこりこのため骨粗鬆症になるという方が注目されている。
〇骨髄間質細胞からBMP、IL11のシグナルが入ると骨芽細胞に分化する。PPARγのシグナルで脂肪細胞に分化する。ところが糖質コルチコイドはIL11に影響を及ぼす。IL11は骨芽細胞の分化にも、脂肪細胞の分化にも影響があるため骨芽細胞の分化に障害となる。
〇そもそもIL11とは、、、骨髄間質細胞から分泌され、脂肪細胞形成を抑制するサイトカインとして発見された。
〇骨粗鬆症モデルマウスSAM-P6骨髄におけるIL11発現はNorthern blot, Western blotで低い。が、骨髄移植をするとIL11発現量と骨量は改善する。
〇IL11過剰マウスは月齢とともに骨密度が増す。
〇人間では、加齢により骨の中のIL11発現が低下する。
〇Sirt1との関連であるが、Sirt1作用は骨形成を促進し、脂肪形成を抑制する。
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