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抗加齢医学の実際 レポート その3

エイジングをめぐる仮説
① インスリンIGFパスウェイが大事
② サーチュインが大事
③ mTORが大事
この3つが有名であるが
ヨーロッパではインスリンIGFパスウェイを支持することが多く、アメリカでは
mTORを支持することが多い。日本ではサーチュインが大事とすることが多い。

mTORについて----
〇エネルギー代謝の異常が寿命を決め加齢を進行させる。カロリー制限により低グルコース血症、低インスリン血症、インスリン感受性の亢進がおこり寿命延長、加齢変化の遅延、疾患抵抗性の亢進となる。(酵母、線虫、マウス、サル)
〇ラパマイシン(rapamycine)は1970年代イースター島の土壌から分離されたstreptomyces hygroscopicesが産生するマクロライド系抗生物質で、TORは酵母のラパマイシン標的タンパクとして同定されたセリン・スレオニンキナーゼである。哺乳類で見出されたホモログはmammalian TORと名付けられた。
〇mTOR1 とmTOR2がありmTOR2はあまり知られていない。mTORシステムは栄養、エネルギーにより活性化する。
〇ラパマイシンを投与してmTORを阻害するとマウスの寿命が延びた。生まれてすぐのマウスではなく初老マウスからラパマイシン摂取でも寿命を16%延ばすことができた。これは人間の6-9年に相当する。カロリー制限は若い時からだけでなく年をとってからでもその効果はありそう。しかしこの実験で投与されたラパマイシンは免疫抑制剤であり、コレステロールを上昇させる効果もある。
〇加齢に関与するmTORに関連する遺伝子は以下10個:EIF4EBP2, EIF4G3, NFKB1, PRKAA1, PTEN, RHEB, RPS6, SREBF1,STAT3, VEGFB
〇mTOR不活化による寿命延長の機序:カロリー制限、エネルギーの欠乏、飢餓状態、アミノ酸の欠乏⇒mTORの不活化⇒タンパク合成の低下、オートファジーの亢進、ミトコンドリア機能の調節⇒寿命の延長と考えられる。
〇タンパク合成(translation)について:mTORの活性化でタンパク合成(translation)が活性化する。S6kinase(リボゾームのS6subunitをリン酸化する)を活性化でタンパク合成(translation)を亢進。ELF4を活性化してタンパク合成(translation)亢進。タンパク合成はそれ自体エネルギーを消費する。ATPは主としてミトコンドリアで合成される。その結果、活性酸素ROSが産生され加齢が進行する。
〇タンパク合成の減少は線虫、酵母、ショウジョウバエで寿命延長が報告されている。S6kinase欠損マウスは寿命が長い。
〇オートファジー(aoutophagy)について:細胞内成分をリボゾーム内へ運び込み分解するシステム。アミノ酸、脂肪酸、グルコースなどに分解され再利用される。飢餓状態では、オートファジーが亢進する。オートファジーは細胞老化を防ぐ作用がある。
〇mTORによりオートファジーは負に制御されるが、飢餓時mTORは不活性化しオートファジーは亢進する。この時の関連遺伝子はmAgt13, ULK1がわかっている。
〇ミトコンドリアにおける酸化的リン酸化の状態および生合成はmTOR1により直接調節される。ラパマイシンによるmTOR1の抑制はミトコンドリアの膜電位を下げ酸素消費を低下させ細胞内のATPのレベルを低下させる。
〇ミトコンドリアのDNAコピー数および酸化的リン酸化に関与するタンパクの発現はラパマイシンで減少しmTOR1を活性化することにより増加した。
〇長寿遺伝子とSirtuinとmTORのシグナル伝達経路はクロストークしている。
〇結局mTORは成長する時に使い、その後老化する時も使用される。成長と老化は同じ、同じmolecular mechanismを使っているのですね。 
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抗加齢医学の実際 レポートその2

先日行われました、抗加齢医学の実際 のレポートを書いています。

エイジングをめぐる仮説
① インスリンIGFパスウェイが大事
② サーチュインが大事
③ mTORが大事
この3つが有名であるが
ヨーロッパではインスリンIGFパスウェイを支持することが多く、アメリカでは
mTORを支持することが多い。日本ではサーチュインが大事とすることが多い。

サーチュイン遺伝子についてーー最近の研究――

〇ヒストン脱アセチル化酵素。この遺伝子の活性化により酵母、線虫、ショウジョウバエで寿命がのびることが報告されている。SIRT1~7まである。
〇レスベラトロールの短期投与で代謝大幅改善したとする報告。これの報告によると11人の肥満健康男性に150mg/日のレスベラトロール内服でSIRT1タンパク質の発現増加。血糖値、インスリン抵抗性の低下。代謝の減少。収縮期血圧低下。ミトコンドリア機能の活性化。肝臓脂肪の減少。肝機能の改善。AMPK(細胞のエネルギーが欠乏すると活性化する酵素)の活性化。がおこる。Calorie restriction-like effect of 30 days of resveratorol supplementation on energy metabolism and metabolic profile in obese humans :Cell met:vol14,2011
〇Sirt6がマウスの寿命を延ばした。Sirt6-transgenic miceの実験。The sirtuin SIRT6 regulates lifespan in male mice :Nature 2012
〇レスベラトロールの量で働くパスウェイが変わる。Sirt1 is required for AMPK activation and beneficial effects of resveratrol on mitochondrial function. :cell metab 2012;15
〇SRT1720で肥満マウスの寿命が延長する。SRT1720はsirt1のactivatorであるが、高脂肪食で育てたマウスの寿命が延長した。STR1720 improves survival and healthspan of obese mice :scientific reports 2011;1:70
〇ミトコンドリアのSIRT3が長寿に重要
〇NADを上昇させてサーチュインを活性化
 NAD(nicotinamide adenine dinucleotide)を増加させる方法はレスベラトロールだけではない。カロリー制限、運動、PARP(poly ADP ribose polymerase)阻害剤、NMN(nicotinamide adenylyltransferase)、NR(nicotinamide ribosite)もある。
PARP1阻害はNADを増やし、SIRT1を活性化させる。
〇レスベラトロールはPDE(phosphodiesterase)阻害剤だった。
Resveratrol ameliorates aging-related metabolic phenotypes by inhibiting cAMP phosphodiesterases :cell 2012;148

抗加齢医学の実際2012 レポート その1

先日行われました、
抗加齢医学の実際のレポートを書いています。

アンチエイジング アップデート2011-2012

1. マイクロバイオーム研究が活発化
腸内細菌相の話など。ラクトフェリンにより乳酸菌の増殖→抗炎症、抗酸化。
2. カロリーリストリクションしてもサルの寿命は延びない。
3. マラソンは安全なスポーツ
4. セレニウムのホルミーシス仮説
セレニウムの足りない人は摂取により死亡率は低下するが、セレニウムが足りている人がさらに摂取すると死亡率が上昇する。
5. ビタミンEが前立腺がん、骨によくない
ビタミンEの摂り過ぎで前立腺がんのリスクが上昇する。これはビタミンEの摂り過ぎで抗酸化作用が働かなくなると考察されている。ビタミンEの摂り過ぎで骨粗鬆症となる。これはビタミンE摂取で骨吸収傾向になるためと考察されている。
6. アルツハイマーの日常リスクが7つ確定
7. Happy people live longerの動きが活発化
8. ごきげんでメタボが改善
マウスの実験で、幸せな環境(enriched environment)で飼育したマウスは脂肪が減っていった。幸せな環境にいると視床下部からのBDNF(brain-derived neurotrophic factor)がWAT(白色脂肪組織)をBAT(褐色脂肪組織)に変えるのを誘導するためとのこと。
カロリー制限なしで時間制限による食事で代謝疾患の予防になるという動物実験がなされた。Time-restricted feeding without reducing caloric intake prevents metabolic diseases in mice fed a high-fat diet; cell metabolism 2012. 15, 848-60
これはまるで貝原益軒の言っていた食事のとり方(前の食事が消化されない内に次の食事をしてはならない)と同じ。
9. 少しの運動でも健康にプラスに働く大規模疫学研究
Minimum amount of physical activity of reduced mortality and extended life expectancy; Wen et al. Lancet 2011:378:1244-53 運動量を弱・中・強・最強にわけてハザード比をみた。少しの運動でもハザード比は下がり、運動強度が強いほどハザード比は下がるのだ。すべての人が運動した方がよい。
10. ラパマイシンパラドックスが解明される。
Rapamycin-induced insulin resistance is mediated by mTOR C2 loss and uncoupled from longevity; science,2012,mar.30.335.1638-43 ラパマイシンは長生きすると言われている薬であるが、飲み続けているとインスリン抵抗性をあげ、血糖値が上昇する。このパラドックスは?mTORc1シグナル低下は独立して寿命をのばす。

抗加齢内分泌研究会レポート その5

先日行われた抗加齢内分泌研究会のレポートを書いています。

ストレスホルモンと運動

〇身体不活動は死亡に対する4番目の危険因子なのである。:①高血圧(13%)②喫煙(9%)③高血糖(6%)④身体不活動(6%)⑤肥満(5%)
〇WHOの健康のための身体活動に関する国際勧告:①成人は週あたり150分の中強度有酸素活動または週当たり75分の高強度有酸素活動または同程度の中~高強度有酸素活動を組み合わせた身体活動を行うこと②有酸素活動は1回につき少なくとも10分は続けること③中強度有酸素活動を週300分に増やすこと、または同程度の中~高強度有酸素活動を組み合わせた身体活動を行うことでさらなる健康効果が期待できる。④週2日またはそれ以上、大筋群を使う筋力トレーニングをすること
〇ストレスの測定法にはストレッサー、日常いらだち事尺度、ストレスチェックリスト、ストレスマネージメント、心拍数、唾液中コルチゾール などがある。
〇運動時、高強度の運動時ノルアドレナリンが多くでる。
〇ランニングはβエンドルフィンを増加させる。
〇自発的に行う運動でグループで飼育した場合の方がストレス軽減する。(マウス)
〇褐色細胞腫と運動の関係:中等度以上の運動で嘔気や嘔吐を誘発させた。
〇脂肪細胞には褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞がある。褐色脂肪細胞は寒冷時、過食時に熱産生する脂肪細胞である。
〇小児に寒冷暴露実験を行った。朝食後2時間以内に来院してもらい、30分間25度の部屋、10度の部屋にいてもらう。測定するものはエネルギー消費量、自律神経活動度、唾液中コルチゾール。:いずれの値とも10度の暴露の方が高くなった。
〇食事記録だけでもストレスとなるか?:食事記録は食事制限と同じくらいにストレスになることがわかった。
〇糖尿病患者の自己管理実行度は?:定期受診、薬物療法は90%上であるが、食事療法は15~17%、運動療法は1型17%、2型は30%であった。実行できない理由は時間がない。天候が悪いであった。
〇2型糖尿病患者は酸化ストレスが高い。
〇2型糖尿病患者でどのような人が酸化ストレス度が高いのか?d-ROMtest、血中ヒドロペルオキシド濃度で測定した。肥満と運動不足の人が高かった。
〇テレビ視聴時間が長い人は身体活動量は低いことが知られている。
〇太っている人は座っている時間が長いというデータもある。
〇歩いている(20分以上)人は2型糖尿病の発症率がそうではない人より低いことが知られている。
〇急性心筋梗塞後、毎日犬と散歩する人はしない人と比べ1年間の死亡率が低いことが知られている。
〇細切れ時間の運動でも運動指標の改善につながる可能性あり。

おすすめ!アンチエイジング図書 その1


遺伝子ダイエット
坪田一男著

とにかくいつも元気いっぱい!エネルギー光線を浴びせかけてくれる、そのお姿を拝見するだけでこちらも元気になっちゃう、という方っていらっしゃいますよね。そのおひとり。慶応大学の坪田一男先生。先生はたくさんの一般向け図書を書かれていますが、その中でも特にまとまっていて読みやすい本です。ダイエットというより、アンチエイジングな生活習慣に関して書かれています。学術的なことをわかりやすく紹介され、日常生活の工夫を公開されています。
「ごぎげんサイエンス」は必読。幸福を感じるファクターは3つ①気質②デイリー・イベント③ライフタイム・イベント だそうで、“多く幸福に感じ、少なく不幸に感じる”人が幸福感が強い、とのこと。
とりあえずアンチエイジングが知りたいと思った方、その他 多くの方におすすめのアンチエイジング図書です。
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抗加齢内分泌研究会レポート その4

先日行われました
抗加齢内分泌研究会のレポートを書いています。

副腎機能評価としてのコルチゾール

〇視床下部―下垂体―副腎系:視床下部→CRH分泌→下垂体前葉→ACTH分泌→副腎皮質→コルチゾール分泌。下垂体前葉、視床下部に対してネガティブ・フィードバックもある
〇グルココルチコイドの主な生理作用と過剰症:①糖利用抑制、糖新生、抗インスリン→糖尿病 ②タンパク質分泌促進→糖尿病、皮膚菲薄化、筋委縮 ③脂質代謝作用→高脂血症、満月用顔貌、中心性肥満 ④電解質代謝作用、尿細管を介する→高血圧、浮腫 ⑤抗炎症、抗免疫→易感染性 ⑥骨芽細胞抑制→骨粗鬆症 ⑦アンドロゲン様作用→ざ瘡、多毛
〇コルチゾールと内臓脂肪肥満との関係:肥満者のcortisol production rateCPRは非肥満者より高い。が、体表面での差はない。総・遊離コルチゾール濃度は肥満者、非肥満者かわりない。CPRは男性が多い。
〇副腎性サブクリニカル症候群のメタボ様所見:副腎性サブクリニカル症候群の人は肥満、高血圧、耐糖能異常、脂質異常を高率に持ち合わせている。
〇サブクリニカル・クッシング症候群の人は正常群に比べ空腹時血糖値が高い。
〇慢性副腎皮質機能低下症:慢性副腎皮質ホルモンの低下、特にコルチゾールの低下に伴う症候群。その臨床像はコルチゾール、アルドステロン、副腎アンドロゲンの総合的な脱落症状を呈する。易疲労感、食欲不振、低血糖、低血圧、関節痛、低Na血症、高K血症をきたす。原因はほとんどが原発性副腎萎縮である。
〇コートリルを補充するが、補充量が多い方がQOLが悪い傾向がある。BMIも上昇する。
〇一日のコルチゾール分泌量:9-11mg/m2/day成人に換算すると15-19mg/day 朝が最も多い。
〇副腎皮質機能不全患者におけるヒドロコルチゾンの推奨:総量15mg(7.5-5-2.5)3分割がよいかもしれない。実はステロイド補充療法にはさまざまあるのだ。
〇軽症副腎不全をどのように診断するか:症状では①朝おきるのがつらい②疲れがとれない③塩辛い食べ物を欲する④倦怠感⑤軽度のうつ⑥ぼーとする⑦記憶があやふやなどなど
〇副腎不全の検査:早朝コルチゾール濃度、ACTH濃度、ACTH負荷試験、インスリン低血糖試験、CRH負荷試験、などがある。
〇早朝コルチゾール濃度:報告者により違うが、正常13-19以上、グレーゾーン3-19、あきらかな低値3-5以下(μg/dl)
〇明らかな原発性副腎不全に対してはACTH250μg負荷のみで診断可能である。
〇CRH負荷により初期のサブクリニカル・アジゾン病をみつけることができる。
〇典型的症状があればアジソン病はACTH250μg負荷で診断可能である。
〇続発性副腎不全の診断のために最も感度がよいのはITT(インスリン低血糖試験)である。その次に感度がよいのはCRP負荷試験。
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アンチエイジング新潟

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