FC2ブログ

オートファジーの謎を紐解く その3

“オートファジーの謎”を紐解く
第一章 オートファジー、細胞内の大規模分解系
第二章 酵母でブレークしたオートファジー研究
第三章 自分を食べて飢餓に耐える
第四章 細胞の性質を変えるためのオートファジー
第五章 細胞内を浄化するオートファジー
第六章 相手を狙い撃ちする選択的オートファジー
第七章 免疫系でも活躍するオートファジー
第八章 オートファジーの研究最前線

第三章 自分を食べて飢餓に耐える

オートファジーはいつどこで起きるのだろう。まずは栄養飢餓で活性化される。マウスを一晩飢餓にすると肝臓腎臓でオートファジーが起きることが観察されている。これまでの研究は電子顕微鏡に頼りすぎていたが、このテクニックは難しく時間もかかる。吉森博士らは電子顕微鏡を使わずにオートファゴソームを光らせるという方法を用いた。2008年ノーベル化学賞となった下村教授のクラゲタンパク質を用いる方法である。遺伝子組み換え技術によりクラゲ蛍光タンパク質GFP遺伝子と哺乳類動物のオートファゴソームに結合しているLC3タンパク質をつなげてGFP-LC3融合遺伝子を作った。オートファゴゾームが緑色に光るというものである。著者はこれそのものをマウスに試した。マウス受精卵に直接、導入した。これによって、いろいろなことがわかった。まず多くの臓器でオートファジーがおこっていた。心臓は1日の絶食でオートファジーをおこす。膵臓の外分泌細胞、腎臓でも活発化する。これと対照的に脳はほとんど活発化しない。脳のもっとも必要なのはグルコースである。また、飢餓の時、肝臓で作られるケトン体は脳の第二の栄養素である。脳みずからオートファジーを発動しなくてもよいのかもしれない。GFP-LC3マウスによる観察では胎児期のマウスのオートファジーはそれほど活発ではないにもかかわらず、新生児期は活発に行われていることがわかった。生まれたての赤ちゃんは大変な飢餓状態にあるが、飢餓には弱くはない。このためオートファジーが活発に行われるのだろうと仮説がたてられる。著者らはATG5ノックアウトマウスを作った。4分の1の確率でノックアウトマウスは生まれてくる。そしてほぼすべて12時間後死亡する。細胞を調べるとオートファジーの機能が損なわれていることが確認された。この時の正常マウスとノックアウトマウスの違いであるが、臓器のアミノ酸濃度が生後10時間で4割低かった。この結果は2004年Nature誌に報告した。さてわざわざ体を分解して作ったアミノ酸の使い道はなんなのか?一つはタンパク質の合成材料。二つ目はエネルギー源。三つめはグルコースへの変換(糖新生)と考えられている。
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

アンチエイジング新潟

Author:アンチエイジング新潟
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR