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オートファジーの謎 を紐解く その7

”オートファジーの謎”を紐解く
第一章 オートファジー、細胞内の大規模分解系
第二章 酵母でブレークしたオートファジー研究
第三章 自分を食べて飢餓に耐える
第四章 細胞の性質を変えるためのオートファジー
第五章 細胞内を浄化するオートファジー
第六章 相手を狙い撃ちする選択的オートファジー
第七章 免疫系でも活躍するオートファジー
第八章 オートファジーの研究最前線

第七章 免疫系でも活躍するオートファジー

病原性微生物との戦いは多くの生物の最重要課題のひとつだ。免疫系とオートファジーには重要な関係があることが明らかになってきた。免疫には自然免疫(マクロファージ、顆粒球が担当)と獲得免疫(一度感染した病原体に対する抗体が担当)がある。中川博士はA型溶連菌の研究で、ファゴソームから脱出した細菌がファゴゾームかあるいはそれと似た構造体によって取り囲まれることを発見した。ファゴゾームから脱出したと思い込んでいた細菌もオートファジーは逃さないのである。その他、結核菌、サルモネラ菌、レジオネラ菌、リッケチア、クラミジア、などがオートファジーによって処理されることがわかっている。しかし、細菌も負けてはいない。一部の細菌はオートファジーの抵抗策を発達
させている。たとえば赤痢菌は腸管上皮細胞に感染侵入、ファゴゾームから脱出し細胞質で増殖する。赤痢菌はIcsBというたんぱく質を分泌するがこのことで自身がオートファジーによって食べられてしまうことを防ぐ仕組みを持っている。リステリア菌はActAというたんぱく質を持つが、オートファゴゾームによる認識を遮断し、オートファゴゾームでは分解されない。レジオネラ菌などはオートファゴゾームを住処にさえする。ウィルス感染に関してもオートファジーは何らかの関与をしていると報告されている。
オートファジーは獲得免疫にも関与していることがわかってきた。白血球の中のリンパ球にはB細胞とT細胞がある。B細胞はウィルスをやっつける抗体を作り出す。T細胞は外敵(抗原)の情報を他の免疫担当細胞に伝える役割をする。しかし、T細胞はひとりでは相手を認識することができない。必ず、抗原提示細胞の助けを借りる。抗原提示細胞は外敵を適当な大きさにカットし、その結果生じた切れ端ペプチドを細胞表面のMHC(主要組織適合遺伝子複合体)上に提示する。T細胞はこの抗原とMHCの複合体を認識してみているのである。T細胞は免疫を担当するにあたって胸腺という組織で教育を受ける。胸腺で免疫のいわば専門教育をうけてT細胞となるのであるが、オートファジーの活性をみることができる、マウスを観察すると、胸腺上皮細胞でオートファジーがかなり活発におこっている。
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