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抗加齢医学の実際レポート その4

9月に行われました、抗加齢医学の実際のレポートを書いています。
演者の南野 徹先生は新潟大学の教授になられました。
循環器がご専門です。

エイジングをめぐる仮説
① インスリンIGFパスウェイが大事
② サーチュインが大事
③ mTORが大事
この3つが有名であるが
ヨーロッパではインスリンIGFパスウェイを支持することが多く、アメリカでは
mTORを支持することが多い。日本ではサーチュインが大事とすることが多い。

インスリンシグナルと老化

〇カロリー制限は線虫やハエ、マウスなど様々な種の寿命を延長する。
さらに加齢に伴う疾患の発症を抑制する。
〇Insulin/IGF-1/mTORの抑制によってマウスの寿命は延長する。
〇ラパマイシンの投与によってマウスの寿命は延長する。
〇血管の老化:加齢とともに動脈硬化性疾患、高血圧の比率は上昇する。
〇血管機能の変化:内皮依存性血管弛緩反応低下、NO低下、プロスタサイクリン低下、細胞外マトリックスの変化(コラーゲン上昇、エラスチン低下)炎症性凝固因子、サイトカイン上昇
〇つまり加齢が血管老化・血管機能障害を引き起こすことによって動脈硬化の形成が促進される。
〇テロメアの話:細胞の老化を規定する因子がテロメアである。テロメレース・ノックアウト・マウスは高血圧を発症する。寿命も短縮する。動脈硬化好発部位ではテロメアの短縮が亢進する。肥満やインスリン抵抗性があるとテロメアは短くなくなっている。テロメアが長いほど寿命も長い。
〇テロメア構造が破壊されると細胞は老化する。テロメレース導入により血管細胞の老化が予防できる。
〇テロメアと血管老化:動脈硬化に伴ってテロメアの短縮は加速する。テロメア機能は血管細胞の老化に関係する。テロメアが短縮すると血管の機能障害がひきおこされる。テロメアの短縮に依存しない細胞老化も血管老化に関与する。などなど報告あり。
〇糖尿病と老化:2007年の統計ではHbA1c 5.6%以上は2210万人存在する。糖尿病はそうでない人と比べると脳血管障害や虚血性心疾患を起こしやすい(3~4倍)。
〇糖尿病は血管の老化を促進する。
〇線虫・ハエ・マウスではインスリンの刺激がFOXO(おそらく)を介してエイジングを早めると考えられている。
〇持続的なインスリン活性化は細胞老化を促進する。
〇ヒト内皮細胞はインスリン刺激Akt⇒FOXOを介して、活性酸素が上昇し細胞老化となる。(Aktとはがん遺伝子の相同遺伝子として発見された。糖とりこみ促進、グリコーゲン合成促進する。)
〇糖尿病血管障害における持続的なIns/Aktの活性化で老化マーカーのひとつであるp21が強く発現した。p21欠失は血管老化を抑制する。
〇では、糖尿病の血管障害に対する適切な治療法はないのか?:厳格な血糖コントロールは細小血管障害は抑制するが、大血管障害は抑制できないというスタディーの結果が出ている。糖尿病強化療法をしても血管老化は防げないし、かえって死亡率を上げてしまうという結果も。つまり、インスリン投与やその分泌を促進する治療のみでは大血管合併症を予防できないのだ。
〇αGIは糖尿病患者の心筋梗塞の発症を予防する。メトホルミンにより、血糖コントロールは予後を改善する。アクトスは血管イベント発症リスクを減少させる。つまりインスリンの感受性を改善し血中インスリン値を低下させることが重要なのだ。
〇インスリンと心老化:持続的圧負荷によっても心不全を発症する。
〇持続的心圧負荷⇒心肥大⇒心筋虚血⇒p53が貯まる。⇒HIF-1発現⇒VEGF発現⇒血管新生⇒さらに心肥大⇒⇒心不全となると考えられている。
〇全身のインスリン抵抗性は心不全発症リスクである。心不全により全身のインスリン抵抗性が生じる。
〇インスリンシグナルの低下は加齢に伴う新機能低下を抑制する。
〇インスリンによるIrs1やAktのリン酸化は圧負荷によって亢進する。
〇心臓特異的インスリン受容体欠損マウスCIRKOマウスでは心肥大が抑制され血管密度が維持される。また心機能も維持される。
〇心圧負荷⇒インスリン抵抗性が上がる。⇒インスリン過剰⇒インスリン受容体を刺激⇒Irs1/Akt発現⇒心筋肥大⇒心筋虚血⇒心不全   となるのである。
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